「うちのホームページ、そろそろ古いのかな」と感じても、何をもって古いとするかの基準を持っている経営者は意外と少ないものです。デザインの好みではなく、検索表示・スマホ表示・問い合わせ取りこぼし・セキュリティといった「事故や数字に直結する基準」で測れば、リニューアル要否は10分で判定できます。本記事では、現役制作会社が日々の診断で使っている10項目のセルフチェックを公開します。3つ以上で検討開始、6つ以上なら半年以内に動いた方が安全です。
はじめに: ホームページの寿命と「古い」の定義
ホームページの実用寿命はおおむね5年から7年と言われます。デザインの賞味期限以上に、その間に検索エンジンの評価基準・ブラウザの仕様・スマホシェア・暗号化要件・閲覧者の常識が大きく変わるためです。本記事で言う「古い」は見た目が一昔前という意味ではなく、現在の閲覧者・検索エンジン・セキュリティ環境において機能不全を起こしている状態を指します。問い合わせが取れない、検索で出てこない、スマホで読めない、ブラウザに警告される、こうした実害が出ているかを外形的に判定するのが以下の10項目です。
10項目チェックリスト
各項目について、自社サイトを実際に開きながら確認してください。当てはまるものの数を数えていきます。
1スマホでズーム操作が必要 影響: 致命的
iPhoneやAndroidで自社サイトを開いた時、文字を読むのに2本指で拡大しないと読めない場合、モバイル未対応のレイアウトです。Googleは2015年からモバイルファーストインデックスを導入しており、スマホで読みにくいサイトは検索順位そのものが下がります。中小企業のサイト流入は7〜8割がスマホですから、ここが崩れていると新規問い合わせの大半を見えないところで取りこぼしている状態です。レスポンシブ未対応のテンプレートはCSS全面書き換えになるため、部分修正ではなく作り直しの判断が現実的になります。
2URLが https:// ではなく http:// のまま 影響: 致命的
アドレスバーに鍵マークが出ない、または「保護されていない通信」と警告が出るサイトは、SSL証明書が未導入です。Chromeは2018年からHTTPサイトに警告表示を強化しており、現在では多くの閲覧者が「危険なサイト」と認識して即離脱します。問い合わせフォームを置いている場合、入力内容が暗号化されずに送信されるため、個人情報保護法の観点からも実害があります。証明書自体は無料のLet's Encryptや、レンタルサーバー標準機能でも導入可能で、コスト面の言い訳は2026年現在もはや成立しません。
3ページ表示に3秒以上かかる 影響: 大
サイトを開いてからファーストビューが表示完了するまで体感3秒を超える場合、Googleが採点しているCore Web Vitals(LCP・INP・CLS)のいずれかで不合格判定を受けている可能性が高いです。表示が遅いだけで離脱率は2秒で約30%、3秒で約50%上がるという調査もあり、SEOにも直接ペナルティが入ります。原因は画像が無圧縮で数MB単位、古いCMSテーマで不要なJavaScriptを大量に読み込んでいる、共有サーバーが過密、のいずれかが大半です。PageSpeed Insights で自社URLを計測すれば一発で判定が出ます。
4Webから予約・問い合わせができない 影響: 致命的
「お問い合わせは電話 / メールでお願いします」とだけ書かれていて、Web完結のフォームや予約機能がない状態です。電話営業時間外の見込み客、電話が苦手な世代、移動中のスマホ閲覧者は、その場で予約・問い合わせができないと9割が別の選択肢に流れます。コンタクトフォーム自体は実装コストが低く、業種によっては予約システム(Reservia、STORES予約、SquareAppointmentsなど)の連携で集客効率が一段上がります。フォームがないこと自体が、サイトの主目的を放棄しているサインです。
5お知らせ・ブログ更新が2年以上止まっている 影響: 大
トップページの「お知らせ」欄に2023年や2022年の日付が最後に並んでいるサイトは、閲覧者から「廃業しているのでは」「営業実態があるのか」と判断されます。とくに飲食・医療・士業・小売など信頼性が問われる業種では決定的です。Googleもサイトの更新頻度を評価指標の一つにしており、休眠サイトは検索順位が緩やかに低下していきます。逆に月1本でも更新が続いていれば、それだけで競合差別化になります。更新が止まる原因の多くは「自分で更新できる仕組みになっていない」(次項参照)です。
6写真がフリー素材ばかりで自社写真がない 影響: 中
「いらすとや」のイラスト、写真ACの汎用ストック写真、海外モデルの素材だけで構成されているサイトは、閲覧者に「実在感がない」「どの店も同じに見える」という印象を与えます。とくに地域密着型ビジネスや個人事業では、店内写真・スタッフ写真・施工事例・実際の商品写真が信頼形成の決定要因です。プロのカメラマンに依頼する予算がなくても、最近のスマートフォンで自然光下で撮影するだけで十分使えます。フリー素材は補助、自社写真が主、の比率を意識してください。
7自分で更新できない仕組みになっている 影響: 大
「お知らせ1件追加するだけで制作会社に1万円請求される」「料金表を直すのに2週間待ちと言われた」という状態は、CMS未導入またはCMSの管理画面が経営者に開放されていないことが原因です。情報更新のたびにコストと時間がかかると、結局更新されなくなり項目5の状態に直結します。現在の標準はWordPressや静的サイトジェネレータ+管理画面で、お知らせ・ブログ・お客様の声・施工事例あたりは社内スタッフが直接更新できる構成にしておくのが普通です。これが満たせていないなら設計から見直す価値があります。
8Google検索で社名以外で出てこない 影響: 大
自社の屋号や正式名称で検索すれば自社サイトが出るのは当たり前で、それは「指名検索」と呼ばれます。本当のSEOは「地域名+業種」「地域名+サービス名」「症状名」「お悩みワード」のような非指名検索で見つけてもらうことです。たとえば「京都 歯医者」「伏見区 整骨院」「中小企業 ホームページ制作」のようなクエリで3ページ以内に入っていないなら、SEO対策がほぼ機能していない状態と判断できます。原因はtitleタグ未設定、見出し構造の崩れ、メタディスクリプション未記入、地域名がページ内に書かれていない、構造化データ未対応、と複合的です。1項目だけ直しても効果は小さく、設計全体の見直しになります。
9問い合わせフォームがFlashや古いCGI 影響: 致命的
FlashはAdobeが2020年末でサポートを終了しており、現代のブラウザでは一切動作しません。Flashで作られた予約・問い合わせ機能はその時点で停止しています。古いCGI(Perl製のmailform.cgi等)も、サーバー側のPerlバージョン更新、SMTP認証の変更、迷惑メールフィルタ強化で送信失敗が頻発するようになります。「フォームから送ったのに返事がない」というクレームが時々来るなら、実は送信エラーで届いていない可能性があります。フォームはGoogleフォーム、Formrun、独自実装+SendGridなど現代的なプラットフォームに即移行すべき項目です。
10デザインが「2010年代前半」っぽい 影響: 中
具体的には、グラデーションのバナーボタン、影付き斜体タイトル、サイドバーが太く本文が狭い3カラム構成、トップに大きなFlashバナーやスライドショー、ナビゲーションが立体ボタン、フッターに大量の相互リンク、こうした特徴が複数当てはまるなら2010年代前半のテンプレートをそのまま使っている可能性が高いです。デザインは好みの問題と見過ごされがちですが、第一印象で「この会社は時代についていけていないのでは」と感じさせると、商品・サービスへの信頼度も同時に下がります。とくにBtoBや高単価商材では、デザインそのものが信用形成の一部です。
診断結果の読み方
当てはまった項目の数で、現状の深刻度を判定します。
リニューアルの判断基準
項目数以外の判断軸も合わせて確認します。まず、致命的項目(1・2・4・9)に1つでも該当するなら、項目数に関係なく優先度は最上位です。これらはサイトの存在意義を否定する欠陥だからです。次に、サービス内容・料金・店舗・ターゲットなど事業側が大きく変わっているのにサイトが3年前のまま固定されているなら、必要性は高まります。逆に、3〜5項目該当でも完全紹介ベースで流入を必要としないケースなどでは優先度が下がるため、項目数と自社における「サイトの位置づけ」を合わせて判断してください。
リニューアル前にやることリスト
要件が固まらないまま発注すると、相見積り比較ができず完成後に「思っていたのと違う」が頻発します。発注前に自社内で済ませておくべき準備項目です。
- サイトの目的を1文で書く: 「新規問い合わせを月◯件獲得する」「採用応募を年◯件集める」など、定量目標まで落とし込みます。
- 必須ページの洗い出し: トップ・会社概要・サービス・料金・お客様の声・お問い合わせなど、必要なページを列挙します。
- 現サイトのアクセス解析を取得: GoogleAnalyticsとSearchConsoleから流入元・人気ページ・離脱ページのデータをエクスポートし、何を残し何を捨てるか判断材料にします。
- 競合サイトを3〜5件ピックアップ: 参考にしたいサイト、絶対こうはしたくないサイト、両方を集めると要件が固まりやすくなります。
- 素材の棚卸し: 自社で用意できる写真・テキスト・ロゴデータの有無を確認します。素材調達コストは見積りに大きく効きます。
- 運用体制の決定: 公開後に誰が更新するか、保守は外注か社内か、月額予算はいくらまで、を先に決めておきます。
株式会社スマートマッチング(京都市伏見区)では、このチェックリストに基づく現状診断を無料で実施しています。リニューアル前提でなくとも、「3項目当てはまったので部分修正だけしたい」「全面作り直しか部分改修か判断したい」というご相談も歓迎です。Web保守は月3,000円から、制作料金は業種別の標準パッケージをご用意しています。まずは無料相談フォームからお気軽にどうぞ。