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町工場・中小製造業の Web サイトには繰り返し出会う 3 つの問題がある。採用ページが無い、取扱品目が「金属加工全般」としか書かれていない、問い合わせ手段が代表電話だけ — この 3 つが揃うと、検索から来た見込み客は離脱し求職者も応募してこない。本稿では、引き合いと採用の両方を動かすための情報層・14 ページ構成・図面添付フォーム・地域 SEO をまとめる。

製造業 HP に必要な 5 つの情報層

製造業のサイトには性質の違う情報が同居している。見ている人と判断軸が違うので、5 つの層に分けて考える。

見ているのは誰か判断したいこと
事業調達 / 設計 / 購買担当何の加工を頼めるのか、ロットはどこまで対応か
設備技術 / 生産技術担当機械・精度・対応サイズ・表面処理
品質品質保証 / 設計ISO 認証、検査体制、不良率
事例新規取引検討中の企業同業界の実績、自社案件と近い加工
採用求職者 / 学校働く環境、待遇、機械の世代

1 ページに詰め込むと焦点を失う。事業層はサービスページ、設備層は設備・工場ページ、品質層は品質管理ページ、事例層は一覧 + 個別事例、採用層は採用ページと物理的に分けるのが基本だ。

取扱品目の見せ方 — 業界別・部品種別・対応材料の 3 軸

「金属加工全般」とだけ書いてあるサイトは、検索エンジンから判別がつかない。実際の検索は「ステンレス 切削 短納期」「アルミ 試作 1 個 京都」のように具体的だ。3 つの軸で書き分ける。

軸 1 — 業界別

半導体製造装置、医療機器、食品機械、自動車部品、産業機械。業界ごとに公差や書類提出の要件が違う。自社が納めてきた業界を 4〜6 個に絞って実績の多い順で。

軸 2 — 部品種別

シャフト、ブラケット、フランジ、ハウジング、治具、ベース板。形状で段取り時間が変わるので、6〜10 種類くらい例示する。

軸 3 — 対応材料

アルミ(A2017 / A5052 / A7075)、ステンレス(SUS303 / SUS304 / SUS316L)、鉄系(S45C / SS400 / SKD11)、樹脂(POM / PEEK)。得意な材料と「対応しない材料」も書くと信頼が上がる。

この 3 軸を組み合わせた一覧表をサービスページに置くと、複合キーワードの長尾流入が伸びる。「ステンレス + シャフト + 半導体」で来た見込み客が、自分の案件と近い箇所をピンポイントで読める。

設備一覧と精度値 — 数字で「やれる仕事」を示す

設備ページは数字が物を言う。文章で語るより、機械名と精度値・最大ワークサイズを表で並べる方が伝わる。記載しておきたいのは次の項目。

表面処理・熱処理・組立まで自社内で完結する場合はそれも一覧化。外注工程は隠さず「協力会社経由」と書いた方が納期トラブルの予防になる。

図面添付フォームの設計 — 容量・NDA・対応形式

電話番号とテキスト欄しか置かないフォームは機会損失になる。設計担当は図面と一緒に「これ作れますか」と聞きたいので、文章で形状を説明させられるなら別の業者を探す。フォームには次の 4 点を入れる。

対応形式と容量上限

2D(PDF / DXF / DWG)と 3D データ(STEP / STP / IGES)の両方に対応、複数ファイル用に ZIP も受け付け。フォーム横に「対応形式:PDF / DXF / DWG / STEP / STP / IGES / ZIP」と明記する。1 ファイル 20 MB を目安にし、組立図など 100 MB 級に備えて「メール / Google Drive / OneDrive の共有 URL でも送付可」と案内文を添える。代替経路が無いと上限に当たった時点で問い合わせが消える。

NDA(秘密保持)の扱い

「お預かりした図面・添付ファイルは、見積作成・図面検討・契約手続きに必要な範囲でのみ利用し、第三者へ提供しません」と明記。さらに「NDA 締結を希望」のチェックボックスを置き、希望者には NDA テンプレートを返信する運用にする。「機密性の高い試作だから町工場には頼みづらい」というハードルが下がる。

問い合わせ種別の分岐と返信目安

「見積依頼 / 量産前 VE 相談 / 試作 1 個から / 採用」を目的別ラジオで分岐させると社内振り分けが楽になる。あわせて「営業日 2 日以内にご返信」と書く。返事が来ない不安からの二股発注を防げる。

導入事例と採用ページの作り方

事例 — 業界 / 課題 / 要件 / 成果の 4 項目

事例は 1 件 600〜900 字で 4 項目を揃える。業界・規模(匿名なら「半導体製造装置メーカー(売上 100 億円規模)」)、課題(「既存サプライヤー納期 6 週を短縮したい」など数字込みで)、要件と提案内容、成果(納期 6 週 → 3 週、不良率 1.2% → 0.3% など測定可能な指標で)。業界 4〜6 種類を網羅して 6〜10 件あれば十分強い。

採用 — 機械の世代を書く

「人が採れない」と言う経営者の自社サイトに採用ページが無い、というケースは多い。媒体の応募ボタンを押す前に必ず検索されるのが会社の HP だ。載せるのは、募集職種と想定年収、1 日のタイムライン、使う機械の世代、教育体制(OJT・技能検定支援)、福利厚生、先輩社員の声、履歴書添付対応の応募フォーム。特に「機械の世代」は若手獲得に効く。最新の 5 軸マシニングが入っているなら明示する。

地域 SEO と構造化データ

発注担当は図面打ち合わせと物流コストの都合から、まず近距離の業者を当たる。「東大阪 切削加工」「京都 ステンレス 板金」のような検索が普通に発生する。地域 SEO で押さえるのは、会社所在地ページに住所を構造化データで書く、サービスページのタイトルと見出しに地域名を入れる(「精密切削加工|京都・滋賀・大阪エリア対応」など)、アクセスページに最寄り IC・駅・所要時間を明記、Google ビジネスプロフィールを HP と整合させる、の 4 点。

構造化データは Organization / LocalBusiness(法人番号・所在地・設立年・業種・電話)、Service(提供サービスごとに serviceType と areaServed)、FAQPage(最小ロット・納期目安・対応材料・NDA 締結可否・見積無料かの 5〜8 問)の 3 種類が効く。LocalBusiness 化で地図系表示の精度が上がり、FAQ は検索結果に Q&A が直接出るとクリック率が上がる。

実例 — サンプル精密株式会社の 14 ページ構成

ここまでの考え方を実際の HTML に落とし込んだのが、架空の精密機械加工メーカー「サンプル精密株式会社」のコーポレートサイト制作サンプルだ。

SAMPLE
サンプル精密株式会社 — 中小製造業コーポレートサイト 制作サンプル

トップ / 会社案内 / サービス(精密機械加工・板金・組立)/ 設備・工場 / 品質管理 / 導入事例(一覧 + 個別 2 件)/ お知らせ / 採用 / お問い合わせ の 14 ページ構成。図面添付対応のお問い合わせフォーム付き。

構成は、トップ / 会社案内(沿革・代表挨拶・所在地)/ サービス一覧 + 個別 3 ページ(精密機械加工・板金・組立)/ 設備ページ / 品質管理ページ(ISO 9001 想定)/ 導入事例一覧 + 個別 2 件(半導体製造装置と医療機器)/ お知らせ / 採用 / 図面添付対応のお問い合わせフォーム。

お問い合わせフォームには「対応形式:PDF / DXF / DWG / STEP / STP / IGES / ZIP」「上限 20 MB」「代替経路としてメール送付・共有 URL 案内」を載せていて、本稿の条件を一通り満たしている。製造業の問い合わせ動線をそのままなぞれる骨格だ。

まとめ — 「電話番号だけ」から脱するための最初の一歩

刷新時はいきなり 14 ページを一気に揃えなくていい。まず「図面添付対応のお問い合わせフォーム」「3 軸の取扱品目を載せたサービスページ」「設備ページ」の 3 つを整える。これだけで検索からの引き合いが動き出す。事例と採用は半年〜1 年かけて足していけば十分だ。

逆にやってはいけないのは、「トップだけ綺麗にする」リニューアル。検索エンジンが拾うのはトップに偏り、複合キーワードの長尾流入は伸びない。情報を物理的にページに分けるのが製造業 HP の本丸だ。

株式会社スマートマッチングでは月 3 万円台からの Web 制作と月 3,000 円からの Web 保守で、中小製造業向けのコーポレートサイトを設計・運用しています。図面添付フォーム、地域 SEO、構造化データ、採用ページまで一緒に進めますので、無料相談フォームからお気軽にどうぞ。

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14 ページ構成のたたき台、図面添付フォーム、地域 SEO、構造化データの実装まで一緒に組みます。初回相談は無料、見積も無料です。

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