校 了 の 日 に
On a quiet night, at the close of the spring issue.
校了の机、夜半すぎ。コーヒーと、赤入れの校正紙。
いま、深夜十二時を少し過ぎたところで、編集部の机に向かっています。VOL.24 の校了日、二月二十八日。雪が、東京でも降りそうな冷えこみで、ストーブを点けたまま、これを書いています。
この媒体をはじめたのは、ちょうど四年前の三月でした。最初の号は秋からスタートしたので、それからかぞえると、これが「四度目の春」になります。創刊号で、こわごわ書いた巻頭文に、たしか「四号、続けてみたい」と書いた覚えがあります。気づけば、六倍の号数になっていました。
春号は、いつも、いちばん書きにくいです。冬のあいだに溜まったものを、急に外に出すような感じで、力みやすい。今号はそれを承知のうえで、書き手にも撮り手にも「すこし力を抜いてみてください」とお願いしました。蕎麦を打つひと、薪窯を冬越しさせた陶工、大原の苗木市。どの記事も、慌てて書いていないものを集められたと思っています。
書き手の山岸さんが、原稿の最後に「人生で一番長い三十分だった」と書いていて、笑ってしまいました。文字で書くと一瞬の三十分が、現場で見ると確かに長い。そういう「長さの感覚」を、紙とウェブの両方に、すこしずつでも残せていたら、編集の仕事をやっている甲斐があったというものです。
来号 VOL.25 は、夏号「水と火のあいだ」。六月二十一日の夏至に発行します。鍛冶仕事と、湧水と、夏の夜の話を、いま少しずつ集めはじめています。よろしければ、また、季節のはじまりに、お会いしましょう。
編集長 / Editor-in-chief
三 宅 文 乃